写真:現場30年、「段取り」が仕上がりの決め手

大工

尾江 久

現場30年、「段取り」が仕上がりの決め手

八雲町出身、1978年生まれです。もともと父が木造住宅の大工をしていました。家に作業場があったので、幼い頃からそこで墨付けをしたりする父の姿を見てきました。父は真面目だったと思います。中学卒業後、その父に教わりながら大工として働きはじめました。初めての現場は栃木のハウスメーカーでした。父が請負で行くのにあわせて自分もついていったんです。結局そこで働くことになり、大手のハウスメーカーの大工を15年続けました。

いつかは地元に戻りたかったので、たまたま機会があって八雲に戻ってきました。山野内建設には最初は手伝いで関わるようになり、何年かして社員雇用になりました。じつは父が昔から山野内建設の手伝いをしていましたから、それが縁ではありました。

山野内建設の木造枠組壁工法(ツーバイフォー)は、ハウスメーカーの建て方とは違い、やり方はガラッと変わりましたが、現場で覚えていきました。とくに山野内建設がこだわっている断熱・気密については、最初は理解するのが難しかったですが、現場の経験を積むことでだんだんと覚えていきました。とても勉強になりました。

作業でいちばん気を使うのは、やはり仕上がりです。仕上がりを良くするためには、朝現場に集まったときの一つひとつの作業工程の確認と打ち合わせが大事だと思っています。段取りを良くすることが仕上がりを良くすることにつながります。

大工の仕事を始めて30年。だいたい1棟を建て終わるまでに3か月ほどかかります。これまで100棟以上は建ててきたでしょうか。何もない状態から形ができてくるのを見るのは、いつもとても楽しいです。作ることが好きだから、大工を続けてこれたと思います。これからも順調に仕事を続けていければ、200棟は超えることになるでしょう。

今の目標は、新人を一人前に育てていくことです。自分は父に教わりましたが、早く仕事を覚えたいなら他人に教わったほうがよいと思いますね。父がやさしかったわけではないですが、どこかに甘えがあったかなと。作る楽しさを覚えると、大工っていいなと思うと思いますよ。

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