暖房・給湯などの高効率機器化について

もう3月だというのに、なかなか春の足音が聞けないと、一人さびしい気分のゼッツです。

以前、新幹線駅誘致の仕事に携わっていたとき、「鉄道(電車)は、エネルギー効率に優れ地球環境への負担が少ない優れた特性を持っていて、航空機に比べてエネルギー消費量で1/8、CO2排出量では1/12です。」と説明され、直接石油を燃やして得るエネルギーより一度電気に変換したほうがより高効率なんてびっくりしたことがありました。

ZEHといえば高効率化が必須であり省CO2が使命です。その筆頭にくる住宅機器は、給湯用・暖房用ボイラー、エアコンなどがあり、そのすべてが電気機器で構成されています。ZEHは、太陽光発電がつきものですから、必ず設備機器は、電気機器になります。

以前は、オール電化がいかにも省エネっぽい印象でしたが、深夜電力を利用した電気ボイラーや蓄熱暖房機で室内の暖房は、灯油の安いときは、あまり効率が良くないため敬遠されたりしました。現在では、新幹線のうたい文句並みに効率の良い機器が発表されています。(もちろん灯油製品の効率も上がってはいますが…)

特に冷暖房機器は、COPと言って、冷却・暖房能力が定格消費電力の何倍あるかといった指数が用いられます。かつての電気ボイラーなどは、ニクロム線のような電熱線に直接通電して熱を発生させてお湯を沸かします。簡単に言うとこれが1として現在主流であるボイラー機器等(ヒートポンプ機器)は、COPが1.5~5という風に何倍もの高効率になっています。

床暖房なども、かつては床下のコンクリートに電熱線を入れていましたが、今では、暖房用のパイプを床に埋め込み、暖房専用給湯機で作ったお湯を通して暖房します。

灯油の暖房器は、ポット式から灯油をガス化する高効率FFボイラーが開発されましたが、それでも0.6~0.8だったのがやっと0.9台になったくらいでガス製品もせいぜい0.95(エコジョーズ)です。

この高効率のエコボイラーなどは、ヒートポンプ式と言って空気を圧縮すると熱をだし、逆に急に圧力を下げると冷却する仕組みを利用していて、一番身近なのは冷蔵庫です。冷蔵庫はコンプレーサーで圧縮したガス(かつてはフロンガス、現在はイソブタンという可燃性ガスなど)を急激に開放させてその冷えるところを冷蔵室に持っていき、庫内を冷やします。

圧縮して熱くなったガスは、背中の放熱器で放熱します。冷蔵庫の背中は、あったかかったですよね。(現在の機器は、放熱器は見えません)携帯ガスコンロを使った時途中でガスボンベを見ると、冷たくなっていて結露で霜がついているのも同じ理由です。

冷房用エアコンは、同じ仕組みを利用していて、圧縮して熱くなるところ(室外機)を外に置いて熱を放熱し、室内機の冷却器の中で一気にガスを開放し冷却器を冷やして室温を下げています。ついでに室内の空気が冷却器に触れて結露するのを利用して除湿も行います。そしてこれらを逆に利用すると冷房が暖房になり、冷蔵庫が温水ボイラーになります。

高気密・高断熱施工の発展とともに、もう一方のこれら高効率機器がともに発展し車の両輪となって、省CO2、ゼロエネルギー住宅、ZEHの素晴らしい発展につながっているのですね。そのおかげで、「冬でも半袖で生ビール!」って、いやいや、省エネ、省エネです・・・