ロックウール、グラスウールの話

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。お正月太りにならないよう、なるべくお酒やお餅を制限したつもりのゼッツです。

お正月の番組の中で、痛風の特集がありまして、ご存じプリン体による尿酸値の上昇は全体の2割程度ということでした。後は、肝臓が作り出した尿酸(人類の寿命が延びた大事なものだそうで・・・)をうまく腎臓で尿として排出できないのが原因だそうです。まあ、諸説あるようですが・・・

尿酸値が高くなると、体内で尿酸が結晶化を起こします。このとき体温の低い足の部分は結晶が出来やすいと言われており、更に外部からの刺激が多い親指部分に痛みが起こりやすいといわれています。 この尿酸の結晶は、きらきら光ってあちこちに刺さってしまうそんなイメージで、皆さん気を付けましょうね。

ところで、この結晶から連想されるものに、あのアスベスト(石綿)があります。石綿といえば、お年の方は、子供のころ理科の実験でアルコールランプで水などが入ったビーカーを温める時に敷いた金網、そうあれについている白い綿のようなものです。

耐久性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性などの特性に非常に優れ、建設資材、電気製品、自動車、家庭用品など様々な用途に広く使用されてきましたが、長期間大量に吸入すると肺がんや有名な中皮腫の原因として、やっと、2012年3月に完全に製造禁止になりました。結構最近の話です。

私の10歳くらい先輩方の中にも、中皮腫を患っておられる方が何人かおられます。

アスベストの結晶は、細長く針のようで、悪いことに砕ける時にさらに細くたてに裂けるんだそうです。そのため吸い込んだ肺の中で細胞に刺さりこみ、30年くらいの潜伏期間を経て発病します。

最近でも、某給食センターなどに残っていて、施設が使用禁止になったのは記憶の新しいところです。まだまだ、古い建物にはアスベストが残っているところがあり、解体時は十分な配慮が必要になります。このアスベストは、アスベスト単体ではなく、残っていると考えられるものは、古いロックウールに混じっているものがほとんどです。

現在使用されているロックウールは、すべてアスベストが全く混じっていない(禁止されている)製品なので安心ですが、どこが違うのでしょう。(グラスウールは、アスベストが混入されたごとがないのでもっと安心です)

アスベストは、古代エジプトのころから使用されていた天然に産出する鉱物繊維で、ロックウールは、工場で岩石を溶融して製造された人造の鉱物繊維です。ロックウールは、単繊維の平均繊維径3~5μmですが、呼吸器系に入りづらく多少吸っても大丈夫ですとのことです。しかし、アスベストはロックウールに比べ数十~数百分の一の細さのため、呼吸器系に入りやすいのです。天然ものがいいとは、ここでは言い切れないようですね。

ロックウールとグラスウールは、同じく人造の鉱物繊で、大まかに言えば原料が岩石や高炉スラグかガラス繊維の違いくらいで、使いやすさで使用を分けているようです。現在の住宅では、ほぼグラスウールが使用されています。両方とも不燃で断熱性に優れていますが、グラスウールは折り曲げても傷みがなく丈夫でしなやかなため、施工性に優れています。ロックウールは少し柔軟性に劣っていますが、配管の保温など自立性があるため、どちらも適材適所に使われています。

昔の密度の低いグラスウールは、作業しているうちに、首などの皮膚についてチクチクかゆくなったりします。そのため、なるべくヤッケのようなもので体を保護したものでした。工業製品は、怖いと思っていましたが、アスベストが天然素材って、普段養殖の刺身やオーガニックでない野菜は高くて買えない私は、なぜか少し安心しました。

現在のスマートハウス、ZEHに必要不可欠な断熱材は、グラスウールだから良い、ウレタンが良いということでなく、その施工がどれだけその部分に適しているか、素材をを100%生かしているかの方が重要であり、施工者の資質が問われるところです。

養殖の鯛だって、アメリカンビーフだって、料理の仕方で大変なごちそうになりますよね!と負け惜しみを言う・・・