断熱施工の重要性 グラスウールの性能向上&大工さんの仕事ぶり

先日、3月完成のアパ-トの現場を観察してきました。ちょうどグラスウールを入れている時だったのですが、きちんとたて枠(柱)や、天井根太(天井材の下地:野縁)の間に隙間なく、そしてつぶれないように入れていました。当然ですが、ここに隙間があったり、巾が合わずグラスウールを波打たせて挿入すると、とんでもなく性能低下につながります。

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当社のグラスウールは高性能の16kg/㎥品で、1㎥(1m×1m×1m)の大きさで16kgのものです。これが24kg/㎥、32kg/㎥になると密度が増して空気を動かさなくなり断熱性能がアップします。ただし、どれを使うかは断熱性能と、施工性と価格との折り合いがあり、高性能16kg/㎥品を使用しています。この高性能とは、密度は16kg/㎥ですが、性能は24kg/㎥品と同じ断熱性能があります。

もっと性能が良いものに、スタイロフォームのようなポリスチレンフォーム板もありますが、内部断熱にはグラスウール、外断熱にはポリスチレンフォーム板と施工性を考えて、各部の断熱材を決めています。

壁の中にポリスチレンフォーム板やウレタンボードを入れるケースもありますが、硬さと自立性があるため、ミリ単位の隙間に対応するのが難しく、板状のものは外断熱のようにべた張りできるところに向いています。壁の中はふわっと、ぴちぴちと!グラスウールがいいんです!

2×4工法の場合、たて枠とたて枠の間が455㎜で、たて枠の厚さを引くと417㎜、壁の厚さは89㎜、たて枠の長さは2,336㎜となっていて、425×90×2,340という、ほぼぴったりの大きさにカットされたグラスウールが製品として用意されています。ここで、やはり大事なのが施工性で、きちんと壁内に収まることが重要です。

昔は、何か本当に綿みたいに軽いふわふわしたグラスウールが当たり前で、カッターナイフでカットしていました。その上、巾が910㎜なので半分にして使っていました。そのため在来工法でも間柱と間柱の間は425㎜なので、そこにやわらかい巾455㎜のグラスウール入れると皆、波打ってしまいましたし、経年変化で下にたれ下がってしまいました。

グラスウールなどの性能が向上し、そのためのきちんとした工法が提唱され、さらにまたそれに見合う製品が作られているということは、感謝すべきことですね。

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そこで大工さんの仕事を観察していると、壁は前述のとおりぴったしですが、天井や床は長さがまちまちになるので、厚さ90㎜のグラスウールをどうカットするのかなと思っていたら、寸法を測ってからグラスウールを板のようにのこぎりで切っていました!程よい硬さがのこぎりによる切断でちょうどいいのですね。そして今では、あまりグラスウールの粉でチクチクすることは少なくなりましたが、きちんとマスクなどで防御もしていました。

グラスウールの性能の向上に合わせて、こういう施工性の向上が確かな断熱施工を可能にしているんだなと、大工さんに感謝しつつ改めて感動するゼッツでした。