ゼッツです。現場のチェックをしていて2×4(ツーバイフォー)建築の構造を見ていると、普通の柱がない代わりに当たり前ですが38ミリ×89ミリのいわゆるツーバイ材がたくさん使用されているのがわかります。

その中でもやたら目につくのが、そのツーバイ材から突き出た釘です。びっくりする建主さんもおられまして、かくいう私も最初は非常に驚いたのですが、これは、工法の仕様によってそれぞれの使用箇所に「この釘を指定の間隔で使いなさい」と決まっているのです。ここは、釘が出ているのが合格です。

特にパネルを構成する枠材と頭つなぎ材などは、38ミリの板材2枚に専用のBN90という釘を34センチ以下の間隔で使うよう定められています。38ミリ×2枚は76ミリ、BN90は90ミリ、当然少なくとも14ミリは、突き出てしまいます。

釘と木材の摩擦を目いっぱいとるためのようです。76ミリなら75ミリのBN75でもよさそうですがね。

この仕様は、住宅支援機構などの住宅資金の貸し付けの際の「枠組壁工法住宅工事仕様書」に載っていて、学会などが工法の技術的基準を定めて仕様書としてまとめてあり「きちんとこういう風に建てますから資金を貸してください」という約束に使われます。

そう、昔の住宅金融公庫にも、在来住宅でも必ず審査の際、添付していたものです。在来工法でもきちんとそういう仕様書があるのですが、在来工法では、どうしても大工さんの腕に頼るというか、いまさらそんなことを言うなとでも言われそうです。

単純なフレームを組み合わせ、構造用パネルで面体を作り補強金物で確実に止めるため、地震にも火災にも強い家が生まれます。熊本の震災並みの地震にも耐えられる住宅は、やはりツーバイフォー住宅だといえます。

さらに在来工法の大工さんを悩ませるのは、高断熱・高気密の工法です。家を建てる際に室内側にきちんとした防湿層、ビニールフィルムを張るのは、高気密・高断熱住宅、いわばZEHの常識です。

これらは、建物を組み始める時からすでにやり方が決まっていて、後から張られない部分は、組み立て時に先に入れておき、室内側の壁を張る時、それにつなげて防湿層を一体化します。

写真のように、すでにサッシや梁を入れる時にすでにこんな風に先張りします。ZEHの建物を作るには、腕が良いだけではなく、理にかなった手順を踏むことが大事なのですね。

省エネ、ゼロエネ、低炭素、低CO2と、国を挙げて温暖化に立ち向かう現代の腕の良い大工さんは、すでに職人というより技術者と呼ぶにふさわしい感があります。

30年以上も前から推奨されているのに、防湿フィルムを張りグラスウールを充てんした気密の良い断熱住宅を見ると、いまだに「家が蒸れる、汗をかく」、「家は、スカスカのほうが長持ちする」などとうそぶく方もいらっしゃるようで・・・